
今度LOLワイルドリフトが出るので、これまでのTencent系のMOBAの歴史を調べて、家系図っぽくしてみました。
まずStarCraft:brood WarというStarCraftの拡張に入っていたカスタムマップを元に作られたMODマップ「Aeon of Strife」が現在のMOBAのベースを作りました。
そして「Warcraft 3」が発売され、MODで「Defense of the Ancients(DotA)」が開発され大人気になりました。しかしその後開発が止まり、DotAは様々なMOD開発者が開発に挑み失敗しました。やがて「DotA:Allstar」が開発され、プロプレイヤーたちが何年もプレイするゲームとして定着しました。
その後DotAの開発者が分裂し「リーグ・オブ・レジェンド」が生まれました。またS2 Gamesが「Heroes of Newerth」を開発し、どちらも大人気になりました。
「DotA:Allstar」はこれからのMOBA業界で生き残るため「Dota2」を開発しました。
現在でもPCのMOBAと言えば「LOL」か「Dota」だと思います。
「Heroes of Newerth」は時代に取り残されましたが、キャラの一部はGarena(アジアで展開する時に提携していた)がTencentと共同でAOVを開発する時に拝借され、今でも生きています。

↓ここからモバイル化↓
LOLのモバイル化は一度Riotが断っていて、代わりに生まれたのが王者栄耀です。王者栄耀が生まれた時は「英雄战迹」という名前で3vs3でした。おそらく当時のスマートフォンは画面サイズが小さかったからでしょう。Riotに話を持ちかけた時に「5VS5」の構想だったのかは不明です。その後LOLの中国語名「英雄联盟」と似ていたため「王者联盟」に名前を変更した後、「王者栄耀」に生まれ変わりました。
「王者栄耀」は一度ヒーロースキルも大幅変更し、初期のLOLに似たスキルは殆ど変更されたようです。
AOVはその王者栄耀の旧スキル新スキルそれぞれ別々のキャラにして実装しています。
【KOG vs AOV】伝説対決と王者栄耀の共通ヒーローまとめ表①『ウォーリア編』【Slayer】
AOVは王者栄耀のグローバル版としてリリースされましたが、モバイル化を断ったはずのRiotが競合になると苦情を出し、欧米で大々的にプロモーションを行えなかったため、欧米での展開は失敗しました。
こうしてみるとRitoとTencentは子会社親会社の関係なのに仲が悪いように見えます。しかし、共に「モバイルレジェンド」に訴訟を起こした仲間でもあります。Ritoがモバレジェの会社に敗訴した後、親会社のTencentが別の訴訟を起こし、勝訴したことがあります。
AOVの初期段階ではマーベルキャラを出す予定だったようですが、権利を引き上げられておじゃんになったみたいです。結局DCコミックとコラボすることになりました。キャラの一部は先程書いたように「Heroes of Newerth」からビジュアルを借りたものがいます。

LOLワイルドリフトはRitoがモバイルMOBAへの認識を改めたのか、現在リリースに向けて制作中です。
さらに今後はポケモンユナイトも出ます。TencentのMOBAの歴史を大きく変えそうなタイトルですね。しかし続報がありません。気長に待ちましょう。
参考サイト
『Dota 2』の歴史 | eスポーツ | レッドブル – Red Bull
改めて紐解く「Riot Games」と『リーグ・オブ・レジェンド』―MOBAの金字塔の歴史と未来は(前編)
https://en.wikipedia.org/wiki/Honor_of_Kings
https://en.wikipedia.org/wiki/Arena_of_Valor
