バトスピは創界神が出る前に引退してしまいましたが、新シーズンの情報は一応チェックしています。
新システム「転醒」についての感想はここでは触れません。
気になったのは今回もまた「強力なメタカード」が配られて、プレイヤーの間で反発が生まれているところです。
気持ちは十分わかります。この記事に書いたとおり。
(「バトスピにやめてほしいこと6選」はブログ以降のタイミングで消しました。理由はドメイン変更してまで残す記事じゃないと判断したからです。)
一方で「強力なメタカードもバトスピの文化だよなー」という擁護(?)もわかるっちゃわかります。
そこで一つ疑問が湧きました。
「バトスピのメタカードが嫌われ始めたのはいつから?」
確かにメタカードのいたちごっこは今に始まったことではないですが、「じゃあ昔から批判が多かったの?そんなイメージは無いけどな…」と疑問に思いました。
昔からヘイトが多ければバトスピがここまで続きませんからね。
そこで僕は「今のメタカードのあり方に問題があるのではないか」という仮定を立てました。
昔のメタカードを振り返りながらバトスピの最近のメタカードが嫌われる理由を考察していきたいと思います。(もしくは昔から嫌われていたのか)
※昔の記憶を思い出して考察を付け加える予定です。
※前に書いた、「バトスピをなんとかしよう!」というニュアンスの記事ではなく、今回は「カードゲームってこう出来てるんだなぁ」というゲーム分析記事に近いです。
目次
昔はメタカードの影響力が少なかった

ブレイヴ時代をぶち壊すには、ブレイヴ破壊効果をもったメタカードが出るでしょう。
しかしブレイヴを破壊するだけなら、前シリーズの「合体時」効果を持つスピリット以外はノーダメージです。
実際、ブレイヴ時代に強かった「ダンデラビット」や「ゴクラクチョー」は、ブレイヴ関係なくコアブーストするカードなので、メタの影響を受けずバースト編でも使われ続けました。
当時のメタカードが及ぼす影響は「ブレイヴ周辺」に留まり、デッキの大部分が被害を受けるような壊滅的な効果では無かったということです。
「新シリーズになってブレイヴが否定された!」というメッセージを受け取る人は少なく、「まぁブレイヴ破壊カードも出てくる頃合いだよな」と納得する人が多かったのだと思います。
では近年に「前シリーズが否定された!」と感じるカード増えたのはなぜでしょうか?
- 「新シリーズのカードが新ギミック中心に作られるようになった」
- 「メタカードの及ぼすデッキへの影響が大きくなった」
この2つが考えられます。
ブレイヴであれば、「これまでのスピリットにブレイヴをつければもっと強い!」というサポート的存在でしたが、
創界神あたりは「創界神が中心にいて、それをサポートするスピリットがいる」という構図に近い状態になりました。
低コススピリットで創界神を呼び、高コストスピリットで創界神とのシナジー効果で敵の盤面を除去したりライフを奪ったり…
そんなデッキは、簡単に創界神を破壊できるカードがいるだけでデッキ全体の存在が危ぶまれます。
「新ギミックに依存しすぎているカードが多く、それらのカードはメタと共に消えていく」
なので、「前シリーズが否定された!」と捉える人が出てくるのだと思われます。
(実際はメタと同時に種族サポート終了も相まって消えていく)
運営としては新カードを新ギミックに絡めておけば次のシーズンでサポートを切った上でメタれば環境を変えやすいので管理がしやすいのだと思います。カードパワーを新ギミック下で振り切れるので、多少インフレ気味に作っても1年後は消えますしね(実際はインフレし続けるんだけど)
ただ運営が管理しやすい分、その割を食っているのがプレイヤーで、今回もまたその不満が爆発しているのでしょう。
あくまでこのシステムは運営にメリットがあるだけで、プレイヤーのためのものでは無いからです。
※とはいっても、10年続けばダンデラビットのような汎用カードのネタは尽きてるでしょう。「じゃあ新シリーズに依存しないカードってどんなカードだよ?」という意見ももっともです。「スピリット自体を強くする必要がある」と僕は思います。(また後で解説)
※双光気弾にネクサス破壊もついでについているのを見て、中学生の僕でも「あぁネクサスが簡単に割られる時代が来る」と感じました。おやつ感覚破壊の片鱗はこの頃から見えてきた印象です。
新しいギミックも1年後は死ぬんでしょ?
前シリーズのギミックの惨状をみて、「新ギミック楽しみだなぁ!」と思えない人も増えてきたのではないでしょうか。
昔とは違って新ギミックと密接に関連したカードが増えた今、
「新ギミック・新ギミックに関連したカード」=「次のシーズンのメタ対象」に見えるわけです。
「どうせこれも1年後はメタるんでしょ?」
と思うと、萎えてしまうのは当たり前だと思います。
運営の売りたいもの、使ってほしくないものが大いに見え透いてしまうとそりゃ萎えますよね。
そりゃボランティアじゃないから儲けるためにこういうやり方を取るんだろうけどさ、プレイヤーもお金を寄付するわけじゃないからね。
1枚で完結するカードはそもそも好かれない説
最近のメタカードは1枚で完結する効果を持っています。なぜなら
- 破壊耐性を持つカードを相手にしなきゃいけない→「効果で防げない」が必要
- 逆にこちらにも耐性がないと、簡単に破壊されてしまう→「破壊されない」系が必要
- 中途半端なメタじゃ抑止力にならない→コアをボイドに送るなど強力な妨害効果
といった風に、メタカードに求められる性能は年々上がっているからです。
昔は破壊して効果を発揮させない等の「抜け道」が用意されていましたが、あまり抑止力とならなかったのか、現在は「抜け道」を全て潰した1枚のカードで登場することが多くなりました。
「抜け道をすべて潰したメタカード(1枚完結)」ってだけで嫌な存在ではありますが、そもそも「1枚で完結するカードはカードゲーマーに嫌われる」説もあります。
カードゲームはコンボを楽しむゲームなので、1枚で完結するカードはそれがキースピリットであれメタカードであれ嫌われるでしょう。
「メタとか関係なしに自己完結カードは嫌われるよね」
「それがメタカードだったらさらに嫌われるよね」
というのが1つの推測です。
昔のメタカードは自己完結してなかった

おそらくこのあたりから耐性持ちメタカードが生まれたのだと思われます。
しかし生還者シリーズはアルティメット編のカードなので、「アルティメットで破壊すればいいし~」という抜け道があります。(しかもブレイブでもマジックでも破壊できる。実際そうやって対処してたのかはわからないけど。)
それ以前は

守護者シリーズで低コストのメタカードスピリットを守らなければ十分にメタカードとして機能しなかったですね。(オーシンは自己完結に近い手札増加メタだけど)
これを見るに、ブレイブ~アルティメットまでやっていた人はあまりメタカードの強力さを問題視することが無かったのではと思います。
なので復帰してから「バトスピメタ過剰すぎ!」と感じるのかもしれません。
「確かに昔からメタカードはあったけど、最近のは嫌い」という意見にもうなずけます。
また、当時ターゲットであったであろう中学生ぐらいだったプレイヤーからすれば、これだけ抜け道だらけのメタカードが配られても何も思わなかったのだと思います。(しかしデッキ破壊はこの時すでに肩身が狭かった記憶があります)
「使われない」という最大の抜け道について
毎回そうなんですが、そもそもバトスピのメタカードってそんなに使われないんですよ。
なので「抜け道が無い」とは言いつつも、「デッキに入らない」という抜け道は今も残っているんですよ。
ではなぜ使われないのに嫌われるのか?
「使われた時ムカつくカードは存在してほしくない」というプレイヤー感情があると思います。「使われない」とは思いつつも、実際に使われたときは手も足も出せないカードパワーを最近のメタカードは持っています。
使われ無かったとしても、万が一使われたときのことを考えると、メタの対象デッキは握りづらいですよね。
その時点でメタカードは仕事しているので、「メタカードは結局使われないんだから良いじゃん」という意見に賛同しづらく、ヘイトは貯まる一方です。
こうしてみるとバトスピのメタカードは、使われないけど効果を発揮しているという、なんとも不思議な存在です。
デッキに入れさせず、それでいて抑止力になるカードをカードプールに混ぜてメタを回すのは好き嫌いは置いといて感心します。
身内環境は厳しいよね
大会とかはあまり出ない、小学生の頃のような身内間のプレイ環境では、「出されたら詰み」の強力なメタカードの存在はとても厳しいものになります。
例えば身内に「デッキ破棄」で最強の友達がいたとしましょう。
皆バトスピに使えるお金は2デッキ作れるくらいかな、という資産力小中学生程度と想定します。
皆がその「デッキ破棄」に勝ちたければ、全員がデッキにデッキ破棄メタカードを入れれば解決できますよね。
そうすると、その「デッキ破棄」で元最強だった友達はどうなるでしょう。
デッキ破棄以外のデッキを作るのも1つの手ですが、小中学生では資産的に厳しいでしょう。
せっかく最強のデッキが作れても、簡単で、確実に自分のデッキを潰すカードを皆に使われたら、ゲーム体験として面白いものにはならないでしょう。
「だってお前デッキ破棄するじゃんwだからお前がデッキ破棄握ってる間はみんなメタカード積むよw」
これをされるともうどうしようも無いので引退も視野に入ってしまうかもしれません。
こんな感じで、身内環境においては強力なメタカードはあまり面白いゲーム体験を提供せず、むしろどんなに強いデッキを作っても、皆にそれに対応したメタカードを積まれた瞬間に崩してしまいプレイヤーのモチベーションを減らす劇薬のような働きをします。
小中学生をターゲットとして切り捨てたのかもしれませんが、資金力がついた大学生ぐらいになっても、身内環境で遊ぶならメタカードは邪魔です。
自分たちで勝手にメタカードに関するレギュレーションを決めるのも何か違うし、そんな面倒なことはやりたくありませんしね。
「このデッキ作って俺強えーしたい」のはTCGプレイヤーなら持つ感情だと思いますが、バトスピは俺強えーデッキに対する回答があまりにも安く提供されていると感じます。
「そんなにメタるならそもそも刷るな!」
こういう感情もあると思います。
デッキ破棄民ならバースト編あたりからそう思っていると思います。
バトスピでずっとひどかったメタが「デッキ破棄」のメタで、これは昔から「つまらないデッキ破棄メタ作るぐらいなら、いっそデッキ破棄のカード作らなきゃいいのに」と思っていました。
今はそのデッキ破棄への風当たりの強さが全色、創界神へ向きました。
なので反発するプレイヤーも多くなるのですね。
まとめ
僕の考察をまとめると、
- 新ギミックに依存するカードが増えてる傾向にあり、メタられると全滅する
- 自己完結したメタカードが増え、普通に1枚のカードとして面白くない
といった感じです。
基礎的なカードのネタは出尽くしているため、代わり映えするためには新しいギミックと、そのギミックを元にして作られた新カードを作るしか無い。
10年続くカードゲームのたどり着く先の一つだと思います。
一方、この記事を書きながら、「まだやりようはありそう」とも思いました。
例えば「メタカードの及ぼす範囲が大きい」ことを解決するならば、「新ギミックカード」「新ギミック関連カード」「スピリットとして有能なカード」でデッキが構築できるようになると良いのです。
新ギミックが過去のものとなってメタられても、デッキの3分の1の「スピリットとして有能なカード」が生き残れば、少なくとも「前シリーズの否定」といった感情は湧きにくいでしょう。愛着をもったデッキが形を変えて新シリーズで活躍できるのであれば納得するプレイヤーも増えると思います。
そのためには新ギミックも「バトルするスピリットの補助」としての役割程度にとどめておいた方が良いでしょうね。
もう一つ、「ギミックをトレードオフにする」手もあります。
例えば、創界神が場にいない時、メリット効果のあるカードを増やす感じですね。
新ギミックを使うか、今までのデッキを少し改良して使うかプレイヤーは選択することができます。メタカードをどう対処するか考えるよりはゲーム体験として楽しいものになると思います。
ソウルコアが登場した次のシーズンで、ソウルコアを除去することで効果を発動するカードが出たのをみたときは、「うまいな」と思いました。(その頃やってないんですけどね)
他のカードゲームがどうやってメタを回しているのかも気になります。
デュエマはGRを失敗と認め、今後新弾や禁止制限でGRをメタるものと思われます。
一方で新シリーズのカードプールは「久しぶりにデュエマをしている気分になれる」と好評です。
おそらく各属性に新能力を配ったこと、クリーチャーが軸となるギミックが追加されたことが要因だと思います。
僕はデュエマにできることはバトスピにだってできるはずだと考えているので、そういう「久しぶりにバトルスピリッツをしている気分」になれる環境が来てくれたら良いなーと思います(結局1年でシーズン変わるんだし、そういう時期があっても良くない?)
この記事の結論としては「昔から前シリーズをメタるのはバトスピあるあるだけれど、近年はそれが過剰になってきてるよね~」という感じです。
僕は購入者ではないのでアンケートには答えられませんが、
https://www.battlespirits.com/product/enquete
バトスピは公式に意見を書ける場所があるので、なにか書きたいことがあれば書いておいたほうが得です。
(この後蛇足も書いてたんですけれど、今読んだら記事の内容とあってなかったので削除しました。)
追記:2021/03/28
新シーズン発表に伴って新プロデューサーのレターが公開されましたね。僕は今もバトスピはやってませんが、気になるので呼んでみました。
意外だったがメタカードについて触れている点です。現ユーザーにもメタカードについて批判的な人がいて要望を送っていることが判明しました。
今後の環境変化のアプローチはメタではなく禁止制限で対応するようなことを書いていますね。これはバトスピの歴史が変わりそうな予感がします。今後に注目したいですね。
コロナ禍でもバトスピは頑張っているようなので、外野ながらバトスピには頑張って欲しいですね。